お子さんがADHDの場合、日々の勉強や高校受験は心配なもの。こんなときは、家庭教師がおすすめです。
家庭教師なら先生がお子さんの様子を見ながらマンツーマンで指導。塾では見きれない細かな部分までフォローしてくれます。
ただ、家庭教師の会社はたくさんあり、大手で良いのか、本当に効果があるのかなど、気になることもあるもの。
そこでここでは、「ADHDのお子さん向けに、高校受験に向けて家庭教師をどう利用するか」を解説します。
ADHDのお子さんの受験対策は、家庭教師が効果的。1対1できめ細かく指導
ADHDのお子さんは、多動症・集中できない・集中しすぎる・忘れやすいなど、人によって傾向がさまざま。授業をする先生も、個別の対応が必要になります。
つまり集団授業の塾や1対2〜3の個別指導塾は不向きで、家庭教師の1対1指導が効果的。
家庭教師なら先生がお子さんの様子を見ながら教えることができ、「ここはこうだよ」のように、必要なことをピンポイントで伝えられます。また、コミュニケーションを通して、お子さんの集中を保ちやすく、学習効果が高いです。
また、家庭教師は自宅で授業を受けられて、周りにほかの生徒さんがいないのもメリット。もちろん漫画やゲームなど、誘惑になるものは周りにあるかもしれませんが、基本的には先生とお子さんがお互いにコミュニケーションをとるため、注意をひきつけやすいです。
オンライン家庭教師(個別指導)が合う場合もあるけれど、基本は対面指導がおすすめ
最近はどの家庭教師会社も、オンライン授業に対応しています。全国どこからでもリモートで授業を受けられて便利ですが、ADHDのお子さんにはあまりおすすめしません。理由は、「対面指導のほうが、よりきめ細かい指導ができるため」です。
オンライン授業は手軽ですが、どうしても画面を通して受講することになります。お子さんの手元が見えなかったり、場合によってはお子さんが画面外にスマホや答を置いて授業を受けたりすることもあり、学習効果が薄れやすいです。
もちろんオンラインで効果がある場合もありますが、基本的には先生が直接家に来てくれる対面指導をおすすめします。
家庭教師で大切なのは、「先生との相性」。良い先生に出会えれば、ADHDでも学力は伸びる
「塾で学力が伸びなかったけど、家庭教師なら上がるのかな・・」
こんな不安がわくこともあると思います。
これは、「お子さんによる」というのが正直なところです。
人によっては家庭教師で勉強しても、成績が上がらないこともあります。ただ、何もしないと現状維持になるため、やはり「家庭教師を1度やってみる」というのが塾で伸びなかった場合の解決策。
家庭教師は、「こんな先生がいい」という希望を出せるのがメリット。お子さんと相性の良い先生に出会えれば、急に学力が伸びることもあります。そのためにも、ただ家庭教師を契約するのではなく、下で紹介するポイントを押さえて利用することが大切です。
家庭教師を効果的に活用するには?5つのポイント
お子さんがADHDの場合、家庭教師会社の選び方や、どう活用するかはとても大切。選ぶ会社や使い方次第でお子さんの伸びも変わるため、以下の5つを押さえると良いです。
- 先生の学歴・合格実績より、「対応力があるか」を重視する。
- 「発達障害コース」または発達障害のお子さんの指導実績が多い会社を選ぶ。
- できれば体験授業の先生が、そのまま担当になってくれる会社を選ぶ。
- 宿題や受験までの学習計画を、きちんと出してもらう。
- 大手かどうかより、「親身になってくれるか」。スタッフの様子も確認。
先生の学歴・合格実績より、「対応力があるか」を重視する
「良い先生」といえば、高学歴な先生や合格実績が豊富な先生をイメージすることが多いです。
ただ、お子さんがADHDの場合、先生の学歴・実績以上に「対応力(コミュニケーション力)」が大切。
一般的に、学歴・合格実績の高い先生は、「意欲のあるお子さん」「ある程度の学力があるお子さん」の指導が得意な傾向があります。つまり「頑張ろう!」と思っているお子さんや、テストで平均点くらいは取れる子を、さらに伸ばすことはできるということです。
逆にいうと、
- 集中力がないお子さんの興味を引く指導
- 勉強ができないお子さんを、平均レベルに引き上げる指導
- やる気が低いお子さんのモチベーションを上げる指導
上のような指導には、少し不向きです。
高学歴な先生は真面目な人が多く、「説明だけ」になりがち。お子さんとのコミュニケーションや、楽しい会話が苦手なことがあります。一見明るく話していても、「けっきょくは勉強の話」ということも。
一方、対応力のある先生は、雑談を交えながらお子さんの興味を引く授業をしたり、お子さんに共感しながら「この先生は楽しい」と思ってもらえるような指導を重視します。「勉強に向かう姿勢」を整えることで、一度ペースができればその後は自然と伸びるはずです。
もちろんADHDのお子さんでも、高校受験を考えているなら先生の学歴や合格実績は大切です。ただ、それ以上にまずは先生の対応力が重要。家庭教師会社のスタッフには、「上手くやる気を引き出してくれるような先生がいい」のようにお願いすると良いでしょう。
「発達障害コース」または発達障害のお子さんの指導実績が多い会社を選ぶ
家庭教師の会社は、さまざまなコースを用意しています。「発達障害コース」がある会社はそれだけ力を入れているため、おすすめです。
【発達障害コースのある会社の特徴】
- 発達障害の情報が豊富。
- 発達障害の進路・受験指導ノウハウを蓄積している。
- 発達障害のお子さんをたくさん見てきている。
- 電話・メール相談など、スタッフがきめ細かくサポート。
【主な会社の発達障害コースの有無】
会社 | 不登校 コース |
発達障害 コース |
---|---|---|
トライ | ◯ | ✕ |
学研 | ◯ | ✕ |
あすなろ | △ | △ |
ガンバ | △ | △ |
ノーバス | ◯ | ◯ |
学参 | ✕ | ✕ |
ファースト | ◯ | ◯ |
サクシード | ◯ | ✕ |
※あすなろ・ガンバはコースを分けていませんが、不登校・発達障害のお子さんの指導に力を入れています。
ある程度の規模がある会社で発達障害コースを設けているのは、
この2社のみ。
家庭教師といえばトライを思い浮かべるかもしれませんが、ノーバス・ファーストとも準大手で人気の会社。トライや学研と合わせて体験授業を受けて、良いと思ったら考えてみるのがおすすめです。
できれば体験授業の先生が、そのまま担当になってくれる会社を選ぶ
家庭教師の会社は最初に体験授業を受けられますが、多くの場合
「体験授業は営業スタッフが担当。実際の担当になるのは、ご家庭の希望を考慮して選ばれる別の先生」
というのが一般的。基本は「入会 → 希望に合わせて先生の選考 → ご家庭に紹介」という流れのため、先生が決まっていない体験の段階では、営業スタッフが授業をすることになります。
ただ、ADHDのお子さんは「先生との相性」がとても大切。会社によっては「ご家庭の希望をヒアリング → 希望に合わせて先生の選考 → 体験授業」という流れで、体験授業をしてくれた先生がそのままメイン授業の担当になる会社もあります。
会社 | 不登校 コース |
発達障害 コース |
体験の先生が 担当になる |
---|---|---|---|
トライ | ◯ | ✕ | ✕ |
学研 | ◯ | ✕ | ✕ |
あすなろ | △ | △ | ✕ |
ガンバ | △ | △ | ✕ |
ノーバス | ◯ | ◯ | ✕ |
学参 | ✕ | ✕ | ◯ |
ファースト | ◯ | ◯ | ◯ |
サクシード | ◯ | ✕ | ✕ |
体験授業の先生がそのまま担当になる会社は、主なところだと「学参」と「ファースト」の2社。発達障害コースがあるのは、ファーストだけです。
もちろんほかの会社でも、先生が合わなければ無料で変更してもらうことができます。ただ、あらためて先生を紹介してもらうまでに時間がかかるため、その間は勉強がストップ、またはお子さん自身で勉強するしかありません。時間をロスしてしまうため、なるべく最初の先生とのミスマッチは避けたいところです。
宿題や受験までの学習計画を、きちんと出してもらう
これは言わなくても先生が出してくれると思いますが、お子さん自身で自習の内容を決めたり、受験までの計画を立てたりするのは難しいもの。先生に毎週のやるべきことや学習計画を出してもらうことで、迷わず勉強できます。
念のため、家庭教師会社のスタッフや先生に「毎週の宿題を出してほしい。これからの計画を立ててほしい」のように伝えておくと良いです。
大手かどうかより、「親身になってくれるか」。スタッフの様子も確認
ここまでも述べていますが、家庭教師でお子さんの学力が伸びるかどうかは「会社が大手かどうか」より「先生との相性」が大きく関係します。お子さんに合う良い先生を紹介してもらうには、「スタッフが親身になってくれるか」も大切。
売り込み感が強い会社は絶対にやめて、きちんと親身になってくれるスタッフの会社を選びましょう。
家庭教師会社のスタッフは、その会社の体質を表しているといえます。サービス内容も大切ですが、体験授業でスタッフの様子も確認して、大丈夫かどうかを判断しましょう。
ADHDのお子さんに、家庭教師は効果的。体験授業を受けて考えよう
ADHDのお子さんは、人によって傾向がさまざま。効果的な指導をするには個別対応が必要で、やはり家庭教師がおすすめです。
家庭教師の会社は大手や準大手などさまざまな会社がありますが、ここで紹介したポイントを踏まえて考えると、良い会社を選べるはず。最終的には2〜3社で体験授業を受けてみて、ベストだと感じるサービスを利用してほしいと思います。