最近は多くの家庭教師会社で、先生が家に来てくれる対面指導(訪問指導)だけでなく、リモートで教えてくれるオンライン指導も行っています。
オンライン家庭教師は良い学習方法ですが、お子さんが発達障害の場合、確認しておくべきこともあります。結論から言うと「オンライン指導は、全てのお子さんに合うわけではない」ため、必ず合うかどうかチェックして利用する必要があります。
ここでは「発達障害のお子さんにオンライン家庭教師を利用する場合」について解説します。
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お子さんが発達障害の場合、オンライン家庭教師は向き不向きがある
発達障害のお子さんは、人によって勉強の状況・様子がさまざま。落ち着いていられない多動症や、勉強に集中できないなどの傾向があるお子さんもいるため、オンライン家庭教師を利用する場合は以下の点に気をつけてください。
【お子さんが発達障害の場合、オンライン家庭教師はここに注意】
- お子さんが画面に集中できないことがある。
- 先生がお子さんの手元(ノート)を見れない場合、細かな指導をしにくい。
- お子さんが画面の外で解答やスマホを見ると、学習効果が薄れてしまう。
画面に集中できないことがある
オンライン家庭教師は、PC(パソコン)やタブレットの画面を見ながら受講するスタイル。つまり内容を理解するために、集中して画面を見る必要があります。
集中力に不安があるお子さんの場合、先生の話を聞き続けられない、集中が途切れてしまう、ということがあります。先生は画面越しに呼びかけることしかできず、ほど良い緊張感を保てません。
発達障害の授業を担当する先生は、これまでにも似た生徒さんの指導経験がある人や、発達障害児の対応が上手な人の場合が多いです。ただ、それでもお子さんによっては画面越しという性質上、オンライン指導が合わないことがあります。
先生がお子さんの手元(ノート)を見れない場合、細かな指導をしにくい
先生が生徒さんの横について教える対面指導の場合、先生はお子さんのノートや授業に取り組む様子まで、ダイレクトに確認できます。きめ細やかに指導できるのが、1対1指導のメリットです。
オンライン家庭教師も1対1ではあるものの、学習効果は少し対面指導より劣る傾向にあります。先生が確認できるのは、あくまでも「画面に映る部分」のみ。多くの場合は先生とお子さんが画面に顔を映しながら授業を進めるため、「先生がノートを確認しにくい」というデメリットがあります。
家庭教師会社によっては先生とお子さんのお互いがノートを見せられるよう、「手元カメラ」を用意する場合があります(「メガスタ」など)。ただ、手元カメラを導入していない会社も多いため、その場合は「先生の説明を理解して、お子さん自身がきちんとノートを取る、計算式や英文などを正確に書く」ということが必要です。
発達障害のお子さんはきちんとノートを書くことが苦手な場合もあり、オンライン指導が「聞くだけ」にならないよう注意が必要です。
お子さんが画面の外で解答やスマホを見ると、学習効果が薄れてしまう
これも上と似た部分がありますが、先生はどうしても画面に映らない部分を確認できないため、お子さんによっては授業をテキトウに受けてしまうことがあります。
- タブレットの横にスマホを置いて授業を受けている。
- 授業中に友達とLINEなどをしている(先生はお子さんのLINE通知に、当然気づかない)。
- 画面から見えない場所に答を置いて授業を受けている。
勉強は多くのお子さんにとって、大変なもの。発達障害のお子さんに限りませんが、つい「サボりたい」という気持ちから、上のようなことをしてしまう人もいます。結果、学習効果が薄れてしまうのは当然と言えます。
逆にオンライン指導だからこそのメリットもある
ここまで、オンライン家庭教師のデメリットばかりを紹介してしまいましたが、逆に良いところもあります。
お子さんによっては「むしろオンラインのほうが勉強しやすい」ということもあるため、本当に「オンライン指導が合うかは人による」というのが実際のところです。
【オンライン家庭教師だからこそのメリット】
- 先生とほど良い距離感があり、お子さんが緊張しにくい。
- 先生の解説をキャプチャで残せるため、あとで振り返りやすい。
- サービスによってはオンラインでの面談が定期的にあり、相談もしやすい。
先生とほど良い距離感があり、お子さんが緊張しにくい
オンライン指導は先生とお子さんの距離が離れていて、これが逆に良いこともあります。
お子さんが人と接するのが苦手な場合や大人に威圧感を感じる場合、リモート授業はリラックスして受けることができます。
もちろんリラックスといってもきちんと集中する必要はありますが、「余計な緊張をせずに済む」というのはメリット。1対1指導の学習効果を得やすくなります。
先生の解説をキャプチャで残せるため、あとで振り返りやすい
ノートを書くのが苦手なお子さんの場合、「オンライン指導の説明画面を、キャプチャで保存する」という方法があります。
全て自分で書くのを最初からあきらめて、画面を保存するようにすれば、あとでゆっくり復習できます。また、家庭教師の会社や先生によっては、相談することで説明画面を授業後に送ってもらうこともできるはずです。
授業ごとの画像がバラバラにならないよう整理して保存する必要はありますが、紙の場合は「先生が渡した説明の紙を、やみくもにファイルへ突っ込み、整理できなくなってしまう」というお子さんもいるため、データでまとめておくのは逆に良い場合もあります。
電話サポートやオンライン面談があり、相談しやすい
多くの家庭教師会社は、生徒さんや保護者さんからの相談を受け付けています。
お子さんが発達障害の場合、何かと心配なこともあるもの。勉強で気になることが出てきたら、まずは相談するのがおすすめです。
電話でのサポートはほとんどの会社で行っていますが、会社によっては面談をしているところもあります。また、「家庭教師のあすなろ」はLINEで質問できるサービスも追加料金なしで提供されていて良心的です。
【発達障害のお子さんのオンライン指導に対応している主な会社のサポート】
会社 | 電話相談 | 面談 | 授業以外 での質問 |
---|---|---|---|
トライ | ◯ | ◯ | ✕ |
学研 | ◯ | ✕ | ✕ |
あすなろ | ◯ | ◯ | ◯ |
ノーバス | ◯ | ✕ | △ (FAX) |
ファースト | ◯ | ✕ | ✕ |
オンライン家庭教師は、効果の高い学習法。お子さんに合うかチェックして利用を
発達障害のお子さんにも、オンライン家庭教師は良い学習方法。ただしオンラインならではのデメリットもあるため、合うかどうかを確認して利用することが大切です。
オンライン指導を提供している家庭教師の会社は、どこも学習相談や体験授業を受け付けています。まずはサービス内容や料金を知って実際に授業を受けると、お子さんにとってベストな会社を選べるはず。ぜひ、しっかりサポートしてあげてほしいと思います。