不登校になると、お子さんによっては無気力になってしまうことがあります。
スマホやゲームをしたり、寝てばかりいたりすると、親御さんも不安になってくるもの。「いつまで学校行かないの?」とつらくなってしまうこともあると思います。
不登校による無気力は人によって原因が違い、対策・克服の方法も違います。ただ、多くのお子さんに当てはまりやすいものもあるため、管理人の家庭教師・塾講師としての指導経験を元に解説します。
不登校で無気力になってしまう原因は、大きな不安・悩み・恐怖
不登校で無気力になる原因は、心理学や学術的な観点からさまざまな解説がされています。ただ、こうした話の多くは難しく、なかなか自分のお子さんに当てはめて考えにくいです。
シンプルに考えると、お子さんが無気力になる原因は、不安・悩み・恐怖。
管理人がこれまで指導してきた不登校生さんの多くは、これらを強く感じたことが不登校・不登校が長引く原因になってしまったのだと感じています。
【無気力になりやすい原因の例】
- 学校でいじめがあり、精神的に疲れてしまった。
- やりたいことがなく、これからの人生をどうすれば良いかわからない。
- 将来が不安で、何も手につかない。
- 両親からの愛情が感じられない。
- 仲の良かった友達から、急に嫌われた。
- 勉強がとにかく嫌いで、学校に行きたくない。
- 勉強に自信があったけれど、学校についていけなくなり自信を失ってしまった。
- 受験で失敗してしまい、立ち直れない。
- 学校の先生と相性が良くない。でも不登校だと勉強が進まず不安。
- 人とのコミュニケーションが苦手で、誰にも会いたくない。
上のようなことが不安・悩み・恐怖を感じる原因で、お子さんによってはいくつか当てはまることもあります。
ただ、原因がわかると、対策もしやすくなります。上の問題を解決するように働きかけていけば良いため、ここからは対策・克服方法を見ていきましょう。
不登校で子どもが無気力になった場合の対策・克服方法6パターン
お子さんが無気力になったときは、「できることを少しずつやっていく」というのが基本。お子さんが明日からいきなり元気になるのは難しく、「だんだん気持ちが変わってきた」「元気になってきた」ということの積み重ねです。
ここから紹介する方法は、お子さんの状況を確実に変えるわけではありません。無気力の原因は1人1人違い、ある方法が解決につながることもあれば、複数の方法を組み合わせることで改善することもあります。そのためお子さんの様子・反応を見ながら、少しずつ試してみてください。
【子どもが不登校で無気力な場合の対策・克服方法】
- まずはそっとして、様子を見る
- 「きっと大丈夫だよ」のように、支えて肯定する気持ちでお子さんと接する
- 親御さんも、明るく元気に毎日を過ごす
- 「たまにはおいしいものでも食べに行く?」と、外食に誘ってみる
- お子さんが高校生なら、「バイトでもしてみる?」と提案してみる
- 家庭教師で勉強を教えてもらいながら、進路についても話してもらう
まずはそっとして、様子を見る
お子さんがずっとゲームやスマホ、マンガばかりで過ごしていると、つい「いい加減にしてよ!」と怒りたくもなるもの。
ただ、上で紹介したように不登校や無気力には原因があり、お子さんは心の中で悩んでいます。
遊んでいるように見えても、内心は「どうしたらいいんだろう」「これから、大丈夫かな・・」と不安な気持ちで一杯かもしれません。
そのため、まずはお子さんをそっとして、様子を見てみてください。今までイライラしてしまっていたなら、ぐっと我慢するのも良いでしょう。怒りたくなったらお茶などを飲んでリラックスして、自分の気持ちを落ち着かせましょう。
特にこれまで小言を言っていたなら、「あれ、最近は何も言ってこないな」とお子さんが変化に気づくかもしれません。するとお子さんのほうから、「最近どうしたの?」と歩み寄ってきてくれることもあります。
「きっと大丈夫だよ」のように、支えて肯定する気持ちでお子さんと接する
不登校のお子さんは、「心の支えがない」つまり「お母さんやお父さんに相談しても、わかってくれない」と感じていることがよくあります。
- 自分は悩んでいるのに、支えになってくれない。
- 友達も先生もわかってくれない。
- もう、どうしていいかわからない。
つまり、心の支えができることで、不登校・無気力が解決することがあります。
お子さんを一番助けてあげられるのは、やはり親御さん。
- 「きっと大丈夫だから。一緒に考えよう」
- 「信じてるよ」
言葉にしなくてもこうした気持ちで接すれば、お子さんは「お母さん・お父さんが支えてくれている」と感じるはず。不安も安心に変わり、前に進みやすくなるはずです。
親御さんも、明るく元気に毎日を過ごす
お子さんの元気がないと、親御さんも心配・悩みによるストレスを感じるもの。気持ちが暗くなってしまうこともありますが、できればご両親も明るく元気に過ごすと、家の空気が変わります。
お父さん・お母さんが元気で、お子さんだけ悩んで引きこもっている状況は考えにくいもの。管理人の経験でも不登校のお子さんがいるご家庭は、家の中全体で雰囲気が重くなっていることは多いです。
「子どもが元気じゃないのに、親だけ明るく振る舞うなんてできない」という考えもありますが、「親御さんが元気だからこそ、お子さんも元気になれる」という考え方もできます。
不登校のきっかけはいじめやクラスでの人間関係など、お子さん自身の問題かもしれません。ただ、より根本的な原因を探ると、家庭内の空気・親子関係が関係していることはあります。
お子さんも心の中で頑張っています。仕事や家事などを楽しみながら頑張ると、お子さんや家の空気に良い影響があるかもしれません。
「たまにはおいしいものでも食べに行く?」と、外食に誘ってみる
おいしいものを食べると元気が出ます。しばらく外食に行っていないなら、「たまにはおいしいものでも食べに行こっか!」とお子さんを誘ってみるのもおすすめです。
食べに行くものはお子さんの好きなものなら何でも良いですが、焼き肉やお寿司は特別感があって良いです。
焼き肉をパクパク食べながら「おいしいね〜」と言っていると、ネガティブな感情がなくなりやすいもの。できれば会話しながら楽しい雰囲気で食べられると、家族の雰囲気も変わるはずです。
お子さんが高校生なら、「バイトでもしてみる?」と提案してみる
お子さんが高校生の場合、アルバイトを勧めてみるのもひとつの方法。
不登校で勉強が嫌いでも、アルバイトに興味がわくお子さんはいます。「新しい世界がありそうで、面白そう」というのもありますし、「バイト収入で、好きなものを買えるな」というイメージがわくのも興味をもちやすい理由。
アルバイトでこれまでと違う世界を見ることで、お子さんの視野が広がるきっかけになります。
ただ、本格的にアルバイトを始めてしまうと、不登校が長引く可能性があります。学校終わりの夕方などに働けるバイトなら良いですが、単発バイトを勧めてみると良いでしょう。
家庭教師で勉強を教えてもらいながら、支えになってもらう
心の支えができることで不登校や無気力は解決しやすくなりますが、「遅れた勉強をどうする?」という具体的な解決策が家庭教師。お子さんが家から出なくても先生が教えに来てくれるため、不登校のお子さんに向いています。
また、家庭教師は1対1指導のため、お子さんのペースに合わせて教えてもらえます。学校でわからなかった内容もじっくり解説してもらえるため、週に1回や2回でも効果は高い勉強方法。
さらに家庭教師は、どんな先生が良いか希望を出せるのもメリット。「優しく気さくに教えてくれる先生がいい」「ゲームやマンガが好きな先生がいい」など、お子さんと相性の良い先生に教えてもらえば、やる気が出なかったお子さんの気持ちも変わりやすくなります。
家庭教師の先生は、不登校生の味方になってくれます。新しい支え役ができることで、お子さんが勉強に向かうきっかけになるかもしれません。
家庭教師の会社はたくさんありますが、無料で体験授業を受けることができます。まずは実際に授業を受けてみて、お子さんに合いそうか確認するのがおすすめ。お子さんも最初は乗り気でなくても、いざ体験を受けると「頑張れるかも」となることはよくあります。
不登校で無気力でも、解決策はある。お子さんを信じて、少しずつ前に
お子さんが不登校で無気力な場合、何かと心配なもの。ただ、こうした状況でも、ここで紹介したように対策・克服方法はあります。
一見するとゲームやスマホで遊んでいるように見えても、実際お子さんは不安を感じ、悩んでいます。親御さんが明るく心の支えになってあげることで、お子さんの気持ちも少しずつ変わるはず。上でお伝えした対策方法も参考に、できることから始めてほしいと思います。