オンライン家庭教師はパソコンやタブレットの画面を通して授業が進められます。
「対面の授業と比べてどうなの?」というのは気になるところですが、今のところ、やはり対面授業のほうが子供を直接見ながら教えられる分、質は高くなりやすいです。
ただ、オンライン家庭教師は今後も授業の質が改善されていく可能性は十分あり、今の時点でもまずまず良い質といえます。安全性や便利さでは対面よりずっと良いので、これからさらに人気が出る可能性はあります。
ここでは「オンライン家庭教師の授業の質」を解説します。
基本はビデオ通話のような形で授業。ホワイトボードやチャット、画像アップなどのツールが使える
オンライン家庭教師で使うものは、PC・タブレット・スマートフォンなど。基本は自分の顔が画面に映り、子供と先生が話せる状態になっていればOKです。
最近のPCはカメラやマイクが付いているものも多いですが、もしない場合はウェブカメラや通話用のヘッドセットを使います。タブレットやスマホはカメラ・通話機能が付いているため、特に買い足すものはありません。
オンライン授業はスカイプや最近話題になっている「ZOOM(ズーム)」という、スカイプのような無料サービスを使うのが一般的。オンライン家庭教師のサービスが「スカイプで授業してください」のように指定してくるため、それに沿って先生が日時を設定、先生と家庭で相談した時間にオンライン授業を受けます。
スマホで使うLINEでも、スタンプや画像を送れる機能があります。スカイプやZOOMもチャットや画像の送信ができ、先生と子供がお互いに文字を書ける「ホワイトボード」の機能もあります。こうしたツールを使いつつ授業をするため、子供にとっては意外と楽しく授業ができます。
サービスによっては独自の授業システムを使い、よりさまざまな機能が使えることも
オンライン家庭教師のサービスはスカイプやZOOMを使っているところもありますが、独自のシステムを用意しているところもあります。
2画面でノートも画面に映せる「エイドネット」、先生と子供がお互いに文字を書いて説明しやすい「Axisオンライン」、先生と子供の授業を邪魔しないようにチェックできる「ネッティー」など、各社が独自のツールを提供しています。
どれがベストというのは難しいですが、「これなら子供に合うかも」というサービスを使うと良いです。オンライン家庭教師も普通の家庭教師と同じように無料で体験授業ができるため、まずは試して確認すると良いです。
全国の先生が在籍するため、有名大学の先生や実力の高い先生に教えてもらえる
オンライン家庭教師のメリットとして、「合格実績が豊富な先生」「有名大学の先生」「私立学校の先生」などに教えてもらえるという点があります。
対面の家庭教師は「生徒の家に訪問できる」というハードルがあるため、遠い場所に先生に教えてもらうことはできませんでした。ですがオンラインなら選択の幅が広がり、より満足のいく先生に教えてもらえます。
オンライン授業でもある程度の質は保てるが、やはり対面の指導には劣る印象・・
オンライン家庭教師の授業は、実際どうなのか?
管理人もオンラインでの指導をしていますが、率直な感想としては「対面のほうが質は良い」という印象です。ただ、オンラインがすごく悪いわけではなく、1対1には変わりないので、講師の意図はある程度は伝わります。対面でのダイレクトな指導にこだわらないなら、オンラインでも十分です。
【講師の授業の伝わりやすさ】
対面の家庭教師 >オンライン家庭教師 > 個別指導 > 集団の学習塾
オンライン授業のどんな点がイマイチなのか、問題点を挙げてみます。
子供が問題を解く様子を細かくチェックできない
オンラインだと子供の隣で教えられないため、様子を細かくチェックしにくいです。
問題をどう解いているのか、細かなミスはないか、画面の脇でスマホのLINE通知を見ていないかなど、画面で見える範囲だとどうしても確認できることが限られます。
オンライン家庭教師のサービスによっては「2画面で手元を映せるので大丈夫」というところもありますが、対面に比べると質は落ちやすいです。ただし繰り返しですが、あくまでも「対面に比べると」なので、ある程度の良い授業はオンラインでもできます。
ペンタブレットやPC上のホワイトボードはまだ使いにくく、講師が説明しづらい
ペンタブレットと呼ばれる手書きツールや、ZOOMに付いているホワイトボード機能は、まだ少し使いづらいです。
イメージとしてはマウスで絵を描くような感じで、文字や数式がカクカクになってしまいます。また、細かい文字を書くのも難しく、文字色などの変更もサッとできず、予備校講師が書くような綺麗で整った板書ができません。
これも少しずつ機能が改善される可能性はありますが、2020年5月の時点ではちょっと微妙・・。
もちろんそれでも何とかするのが講師の仕事ですが、やはり対面のほうが説明しやすい印象です。
テキストを画面に映せない場合があり、子供と先生が同じテキストを持っていないと厳しい
これはオンライン家庭教師のサービスによりますが、「画面にテキストを映してはいけない」という場合があります。著作権に引っかかるため、市販の教材を授業の画面に映すのはNGということです。
これだと先生と子供が同じテキストを持っている必要がありますが、先生が生徒と同じテキストを毎回用意するのは、現実的に難しいです。
オンライン家庭教師のサービスによってはテキストを映してOKな場合もあり、こうした会社を使うのがおすすめ。また、高校生は特に定番の参考書・問題集があるため、先生も子供も同じものを用意しやすいです。
生徒との距離が遠くなりやすい。親近感がわきにくい
オンライン家庭教師は子供と先生、お互いの「気持ち的な距離」が遠くなりやすいのもデメリットです。
普段の生活でも「メールより電話、電話よりも直接会うほうがいい」ということはありますが、対面のほうが子供は先生に親近感をもちやすいです。オンラインだと「遠い存在」という感じになりやすく、親近感がわきにくい場合があります。
もちろん先生は雑談やコミュニケーションを取り入れながら、なるべく親しみのある授業をしてくれます。そのためオンラインでも打ち解けられることも多いですが、対面に比べると劣る印象です。
生徒と講師の家でネット回線のスピードが違うため、会話にズレが生じることもある
テレビを見ていると海外のレポーターが、日本からの電話に少し遅れて返事をする様子をときどき見かけます。
日本のアナウンサー:「ニューヨークの加藤さん?そちらはどうですか?」
海外のレポーター:「・・・・・・・はい、ニューヨークは今は落ち着いています」
こんなタイムラグが生じてしまうことがありますが、オンライン授業でも同じことが起きることがあります。
ネット環境は家庭によって違うもの。ネット回線がお互いに速ければ良いですが、状況によっては会話がずれてしまうことがあります。
話したことに対していつもワンテンポ遅れて返事がくると、ちょっとストレスです。
講師がすぐ横にいないことで、子供がリラックスして学べるのは良いかも
ここまで、オンライン授業の気になる点を紹介しました。ただ、逆にオンラインのほうが対面より良いこともあり、「子供がリラックスして学びやすい」ということはメリットです。
家庭教師の先生が来る日は、「あー、今日は先生が来るのか〜。気が乗らないなあ・・」と子供のテンションが下がったり、授業を受けているときも何だか疲れてしまったりすることがあります。
オンライン授業は良い意味で「先生がすぐ隣にいない」ため、子供がリラックスして勉強しやすいです。授業という緊張感がありながらもほど良いリラックス感があるため、特に勉強が苦手な子供には良いかもしれません。
「微妙な先生による対面授業より、実力のある先生のオンライン授業」という考えもある
対面の家庭教師の場合、家庭教師センターが近くに住んでいて指導に向かえる先生を紹介してくれます。ただ、特に都市部から離れた田舎の場合、「良い先生というより、とにかく指導に向かえる先生」という基準で先生が紹介されることがあります。
対面のほうが良い指導をしやすいといっても、微妙な先生が教えても効果は薄いです。それならしっかりした実力のある先生にオンラインで教えてもらうほうが、効果は高いといえます。
対面とオンラインで迷う場合、どちらも体験を受けて考えると良いです。「オンライン授業でも、普通に満足」という感じなら、オンライン家庭教師もおすすめです。
現状は対面授業が質の面ではベスト。ただし安心・効率・料金も含めると、オンラインも考える余地あり
最近少しずつ人気が出ているオンライン家庭教師ですが、授業の質では対面のほうが良いです。講師の意図をダイレクトに伝えられるため、子供と距離が離れているオンラインはどうしても質が落ちやすいです。
ただ、場所が離れている良い先生に授業を受けられて、ウイルス感染などの心配がなく、それでいてリーズナブルなことを考えると、オンライン家庭教師も考えてみる価値はあります。体験授業を受けてみて、子供に合いそうなら利用してみるのもオススメです。