「家庭教師は会社を通すと高いから、知り合いの人に頼もうか」
こんなふうに考えることもあると思います。
勉強をしっかり教えられる良い人がいれば、家庭教師を直接お願いする「個人契約」もひとつの方法。会社を通すより安くなりますが、気をつけておくべきこともあるため、ここで解説します。
知り合いと家庭教師の個人契約をする場合、相場は1時間2,000〜2,500円(大学生の先生)
家庭教師を個人契約する場合、
- 大学生の知り合いにお願いする
→ 1時間2,000〜2,500円が相場 - 社会人の知り合いにお願いする
→ 1時間2,500〜4,000円が相場
上のようになっています。
個人契約を考えるのは、ご家庭・先生とも「お金」が大きな理由。
上の相場くらいの金額なら、先生は会社を通すよりも収入が高くなり、ご家庭は払う月謝を安くできるため、お互いにお金の面でメリットがあります。
【時給と授業時間・回数による月謝の違い(単位:円)】
1時間 2,000円 |
1時間 2,500円 |
1時間 3,000円 |
1時間 3,500円 |
1時間 4,000円 |
|
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月4回60分 | 8,000 | 10,000 | 12,000 | 14,000 | 16,000 |
月4回90分 | 12,000 | 15,000 | 18,000 | 21,000 | 24,000 |
月4回120分 | 16,000 | 20,000 | 24,000 | 28,000 | 32,000 |
月8回60分 | 16,000 | 20,000 | 24,000 | 28,000 | 32,000 |
月8回90分 | 24,000 | 30,000 | 36,000 | 42,000 | 48,000 |
月8回120分 | 32,000 | 40,000 | 48,000 | 56,000 | 64,000 |
たとえばお値打ちな料金で人気な「家庭教師のあすなろ」では、月4回60分の授業で15,000円ほどから。1時間2,000円で個人契約をする場合の料金(月8,000円)に比べると、倍くらいの金額になることがわかります。
ざっくりとした目安として、個人契約と会社を通す場合とでは、費用に「1.5〜2倍」くらいの差があると考えて良いでしょう。
これなら個人契約のほうが圧倒的に良さそうですが、多くのご家庭が個人契約せず会社を通すのは、「良い人がいないから」。
お子さんの勉強は、大切なもの。「ちょっと勉強が教えられるくらいの人にお願いするのは不安」「会社を通して先生を紹介してもらうほうが安心」という親御さんは多く、やはり家庭教師の会社を利用するのが一般的です。
よく知っている人だからこそ、指導が適当になることも・・。前もって確認するべきこと
知り合いに良い人が見つかれば、個人契約もおすすめ。
ただ、よく知っているからこそ、確認しておくべきこともあります。意外と予想していなかったトラブルが起きることもあるため、気をつけておきましょう。
先生と家庭、お互いが授業の予定を守れるか
まず多いのが、
- 先生が授業の予定を頻繁に変更してくる。
- 家庭側が授業を頻繁に変更して、先生が対応しきれない。
というパターン。
お互いに知り合いだからこそ、「大丈夫だろう」と思って予定変更の相談をしてしまいやすいです。
ただ、自分は良いと思っても、相手も良いと思っているかは別。
頻繁に曜日や時間を変えることで相手に「またかよ・・」と思われてしまい、最悪の場合授業がストップすることも。「毎週水曜日の18時から授業」と決めたなら、あまり頻繁に予定の変更をしないほうが良いです。
授業が始まってから気づくことも多いですが、先生となる知り合いに授業をお願いする前に、「あまり予定の変更はしないでくださいね」とひとこと伝えておくと良いでしょう。
月謝の支払い、受け取りの確認方法を決めておく。できれば現金の手渡しが確実
お金のトラブルも、個人契約でときどきあります。
- 先生が「給料が振り込まれていない」と嘘をつき、余分に費用を請求する。
- 先生が「大学から電車で直接来ることになった」のように言い、交通費を追加で請求する。
- 家庭側が実際は月謝を払っていないのに「もう支払いました」と言い張り、先生が給料を受け取れない。
個人契約はこうした場合に、ご家庭が自分で対処しないといけないのがデメリットです。
銀行口座への振り込みはトラブルになることがあるため、先生に現金を手渡しするのが確実。一応領収書などを作り、サインももらうと良いです。
先生が急に教えられなくなる可能性もあるため、かわりの人や家庭教師会社の利用も考えておく
先生にとって、個人契約は「時給が大幅に上がる」というメリットがあります。
ただ、個人契約を積極的にしたがる先生の中には、「割りに合わない」と思ったら、すぐにやめてしまう人もいます。
先生によっては家庭側の都合を考えない人もいて、もうすぐテストや入試が控えているのに「忙しくなったから、もう教えに行けない」と急にやめてしまうこともあります・・。
こうした損得勘定だけで動く先生はやめてほしいですが、費用を抑えるために個人契約をした家庭側にも、残念ながら責任はあります。
先生が急にやめてもお子さんの勉強がスムーズに進むよう、かわりの人や家庭教師会社の利用も考えておくと良いです。
受験情報や進路のサポートは薄くなる可能性あり
家庭教師の会社はさまざまなご家庭・生徒さんが利用していて、受験や進路に関する情報が豊富です。こうした情報は個人契約の場合、得られません。
もちろん最近はネットで検索すれば、受験に関する情報はたくさんあります。ただ、その中から親御さんやお子さんに必要な情報を探すのは意外と難しいもの。また、自分たちでは気づかないことも、家庭教師会社のスタッフならアドバイスできます。
個人契約の場合、手に入る情報はあくまでも「知り合いの人が知っていること」だけ。ひとまず勉強を教えてもらえれば十分なら良いですが、それだけで良いかは考えておく必要があります。
個人契約に向いているのは、「誠実・謙虚な人」。逆におすすめしないのは、「自分のことを優先して考える人」
ここまでの点を踏まえて、個人契約に向いているのは
「誠実さや謙虚さがあり、お子さんを教えることに熱意をもってくれる人」です。
逆におすすめしないのは、
「損得勘定だけで動き、自分のことを優先して考える人」です。
個人契約は知り合いの先生にとっても「おいしい話」ではありますが、それはあくまでも、きちんと授業をした上でのこと。
- 自分の予定を優先して、頻繁に予定を変更する。
- 知り合いだからと油断して、教え方が適当になる。
- 受験情報をあまり知らず、「給料に含まれないから」と調べてくれない。
- 「割に合わない」と思ったら、態度を変える。
- お金をごまかそうとする。
こうしたことがあったら、すぐに契約を打ち切るべき。ただし上手く伝えないと関係が悪くなってしまう可能性もあり、気をつけて話す必要があります。
知り合いが良い人なら、家庭教師の個人契約もおすすめ。ただしトラブルに注意が必要で、会社を利用するほうが安心かも
知り合いの「この人なら大丈夫だろう」という人がいるなら、家庭教師の個人契約もおすすめ。相場は大学生なら1時間2,000〜2,500円ほどで、会社を通すよりお値打ちです。
ただしトラブルには十分注意が必要なため、紹介したポイントを確認しておくと良いです。
管理人的にはやはり会社を利用するのがおすすめですが、「なるべく費用を抑えたい」という場合、個人契約も検討してみてください。