日本に数ある大学の中でも、最難関のひとつである東京大学。
「東大に受かる人って、一体何をしてるんだろう・・」
東大に合格する人がどんな勉強をしてきたのかがわかれば、自分の勉強に活かせることもあるはず。また、「東大に受かる人も、やっぱり努力しているんだ」と気づくことで、勉強へのモチベーションもわきやすくなります。
ここでは先生が東大生のみのオンライン家庭教師「トウコベ」講師の那須さんに、東大文系に合格した勉強法・体験談をお聞きしました。これからの勉強に、ぜひ役立ててほしいと思います。
ちなみにトウコベでは、東大生による勉強相談を無料で実施中。東大生ならではの的確な分析と戦略を元にしたアドバイスを受けられて、東大生の雰囲気もわかります。これから勉強を頑張りたい、勉強で悩んでいるなら、相談してみるのもおすすめです。
さいとう
ちなみにトウコベさんには、東大受験や勉強についていろいろお聞きしています。ほかのページも参考にしてみてくださいね。
東大に入りたいと思ったのは中学生のとき。「将来の目標」を持てたのがきっかけ
さいとう
それでは那須さん、よろしくお願いします!
よろしくお願いします。
那須さん
さいとう
まずそもそも、なぜ東大を目指そうと思ったのですか?
中学生のときに学校で社会見学があり、官僚のお仕事を知る機会があったのですよね。当時は関東大震災があった時期で、官僚の方も懸命に仕事をされていて、中学生ながらに「格好いいな」と思ったのがきっかけです。
そこから調べるうちに、「官僚になるなら東大だろう」ということで、東大を意識するようになりました。ほかの大学を卒業しても官僚になれないことはないのですが、やはり多いのは東大出身者で、「日本の中枢に近い仕事をするには、東大を卒業しないといけないな」と感じました。
そこから東京の高校に進学して、東大に向けて勉強するようになりました。文系・理系の選択は、文系です。
那須さん
さいとう
官僚って言葉は聞いたことがあっても、どんな仕事をしているのか知る機会は少ないですよね。中学校の社会見学が、大きなきっかけになったのですね。
実際に入学して感じるのですが、東大には目的意識を持って入った人が多いです。「この教授がしている、この研究をしたい」「やりたいことがあり、そのために東大に入った」のようなハッキリした目標を持っていて、やりたいことのために必要なステップとして東大を選んだという感じですね。
もちろん「学校での勉強ができて、東大に通用するレベルだったから受験した」という人もいますが、強いモチベーションがあるからこそ、最難関に向けた勉強も頑張れるのかなと思います。
那須さん
さいとう
確かに、「絶対に必要だから入りたい!」という気持ちがないと、なかなか勉強を続けられないですもんね。
現役時代は東大合格に向け、とにかく勉強したけれど不合格・・。上手くいかなかった2つの原因・反省点
さいとう
高校では、かなり勉強されていたのですか?
そうですね。部活でバスケをしていたので、勉強と両立の生活でした。
学校の勉強はきちんとこなしていましたが、それだけでは足りないということで、予備校の河合塾にも通っていました。なので学校と予備校の授業と、それ以外の時間の自主学習が基本でしたね。
那須さん
さいとう
やはり、かなり勉強されていたのですね。
河合塾は東大受験コースですか?勉強時間はどれくらいだったのですか?
コースは東大受験コースで、勉強時間は学校・予備校・自主学習をトータルして、毎日10〜12時間くらいだと思います。平日も土日もそのくらいで、がむしゃらに勉強していましたね。
那須さん
さいとう
やっぱりそれくらい勉強されるのですね。東大に行きたいと思っても、ハードな勉強を続けるのは大変ですよね。
そうですね。ただ、私は1浪して東大に入ったので、現役時代は落ちてしまいました。自分としてはかなり頑張ったと思っていたのですが、振り返ると2つの原因がありました。
- 自分の実力を分析していなかった。
- 東大の対策を、しているようでしていなかった。
この2点ですね。
那須さん
浪人時代は現役時代の反省点を克服して、見事合格!日ごろの勉強と、直前期にしていたことは?
さいとう
分析と東大の対策は確かにどちらも大切ですが、たぶん現役時代もある程度はしていたのですよね?具体的に何か大きく変えたのでしょうか。
そうですね。学力の分析は模試の結果でしますが、毎回の結果をよりきちんと見ていきました。
東大の文系は、国語と社会は「できて当たり前」という感じで差がつきにくく、英語と数学で差がつきやすいと言われています。現役時代の私は国語と社会が得意で、この2科目に力を入れすぎてしまいました。
本来なら模試の結果で英語と数学の点数が低いことに着目して、どの分野が弱いのか、どこで点を落としているかを見るべきでしたが、これをしなかったわけです。
模試自体は河合と駿台でたくさん受けていたのですが、活かしきれていなかったですね。あと、模試を受けるにも時間と労力がかかり、その分だけ自分の勉強時間は減ります。せっかく模試を受けるなら、毎回の復習や分析をもっとしっかりするべきでした。
那須さん
さいとう
得意科目は強みになりますが、それだけに力を入れすぎてしまうと、逆に伸ばしやすい他の科目をおろそかにしやすいということですね。この反省点に気付けたのは大きいですよね。
もうひとつの原因だった東大対策についてはどうなのでしょうか。
東大文系の入試は「説明しなさい」という記述式の問題が多いのですが、その採点基準をとても強く意識するようになりました。
大問別に見ていき、自分の回答にどんな要素が入っていれば加点されて、何を書くと減点になるのか、問題を解くときにいつも確認しながら解いていました。
那須さん
さいとう
正解にはハッキリした根拠・採点基準があり、「なぜ自分の回答が正解になるのか」をよく考えたということなのですね。
ただ、記述の練習って、自分で答案を確認するとどうしても甘くなりがちだと思うのですが、どうやって取り組まれていたのですか?
はい。自分だけではやはり難しかったので、学校の友人や予備校の先生にチェックしてもらっていました。幸い浪人だったので先に東大に合格した友人もいたので、受験に関しては先輩だと思って相談していました(笑)
浪人になってからは「どうしたら点を取れるのか」を常に考えて、友人とお互いにレビューをし合ったり、良い答案を真似したりしていました。
那須さん
さいとう
なるほど。友達とチェックし合うのは良いですね。ちなみに東大を目指す人って、自分1人でガンガン勉強する人もいそうですが、那須さんは「友達と一緒に頑張る」という感じだったのですか?
そうですね。部活をしていたことも関係あるかもしれませんが、高校の友人と一緒に勉強していました。現役も浪人のときも同じ高校の友人が河合塾にいたので、河合塾で新しい友人はできませんでしたが。参考書や問題集についても、先に合格した友人から聞いて使っていました。
那須さん
さいとう
友達の存在って、やはり大きいですよね。モチベーションも保てますし、刺激にもなりますね。
英語は上級編の単語まで覚えて、精読しながら読むスピードを上げた
さいとう
各科目の具体的なことで、何か意識されていたことはありますか?
まず英語に関しては、上級レベルの単語までを覚えて、とにかくたくさん読むようにしていました。ここは少し根性論的な感じになってしまいますが、やはり量は大切だと思います。
ただ、やみくもに読むのではなく、読めなかった文の振り返りは必ずしていました。なぜ読めなかったのか、文法や文の構造が理解しきれていなかったのか、単語がわからなかったのか、などをチェックしていました。精読を続けることで、読むスピードが上がった感じです。
今の英語教育は「4技能(読む・書く・聞く・話す)」が重視されていますが、東大に向けた勉強をする中でスピーキング(話す)以外の力はかなり伸ばせたと思います。これは大学に入ってからも良かったと思いますし、家庭教師として指導するときにも役立っています。
那須さん
国語は古文・漢文の文法・句法を徹底的に学習することで差がついた
国語は東大だと現代文で差がつきにくいため、古文・漢文に力を入れました。特に古文の文法、漢文の句法については、徹底的に復習しました。
あとは古文・漢文も記述の説明問題が中心なので、先ほどお話しした答案作成の練習を繰り返しました。
那須さん
社会は教科書の知識をとにかく暗記。資料集も活用して、タテとヨコの歴史を意識
社会は日本史と世界史を受験科目として選んでいたので、とにかく覚える量が膨大でした。ただ、基本的には教科書の内容から出題されるため、高校内容を逸脱した知識を覚えようとはしませんでした。
逆に言うと東大でも教科書の知識が基本なので、とにかく隅々まで、しっかり覚えました。
那須さん
さいとう
日本史と世界史の両方を細かく覚えるって、相当大変じゃないですか?暗記のコツってあるのでしょうか。
暗記は「見る回数」と「思い出す回数」の2つがポイントだと思っています。なのでとにかく繰り返し見て、以前に覚えた内容も定期的に振り返るようにしていました。
暗記は大変ですが、記述問題を解くときのように「頭を使って考える」というわけではありません。意外と疲れているときでもできるので、頭が疲れている夜に回していました。
あと、覚えるためによく使っていたのが、「一問一答」と「資料集」です。
一問一答は基本知識を覚えるのにとても役立ち、何度も何度も繰り返していました。ただ、これだけだとひとつひとつの知識がつながりにくく、合わせて活用したのが資料集です。
東大に限らず、日本史・世界史の勉強では「タテの歴史」と「ヨコの歴史」が大切とよく言われます。
タテの歴史はたとえば「中国では紀元前に秦や漢の時代があり、そこから三国時代・隋・唐・宋の時代」というように、ひとつの国や大陸に注目して歴史を追うことです。
ヨコの歴史は「17世紀はヨーロッパでこれが起き、アジアではこれが起き、日本ではこれが起きた」のような、年代に注目して歴史を追うことです。
教科書は知識が詰め込まれていますが、タテとヨコのつながりをなかなかイメージできません。その点、資料集は写真や図、表などがたくさん載っていて、視覚的にイメージしやすくなります。表も国別、年代別などによくまとまっていて、タテとヨコの歴史を理解するためにとても役立ちました。
那須さん
さいとう
たしかに資料集は、ぱっと見てわかりやすいですね。ほかの大学入試と基本的な知識は同じでも、「いかに深く理解するか」が大切なのですね。
数学は基礎が大切。青チャートの問題を繰り返し演習
数学も基礎を大切にしました。東大の文系数学は典型的な問題を解けるようになるだけでもかなり対応できるため、青チャートをとにかく繰り返しました。基本例題や重要例題を解き、抜けがないか確認していました。
文系数学の問題を解けない場合、どこかの基礎知識が抜けていると思います。ひと通りの分野で基礎固めをすることで、だいたいの問題を解けるようになるはずです。
那須さん
トータルで見ると、「基礎の徹底」「記述に対応できる深い理解」の2点を特に意識した
さいとう
ありがとうございます。こうして那須さんの勉強を見てくると、基本に忠実というか、とにかく基礎を徹底的に固められた印象を受けます。「東大でも、とにかく基礎が大切」ということなのですね。
そうですね。ただ、東大入試は基礎といっても「覚えた知識を少し活用すれば解ける」というレベルではもちろんなく、「教科書の知識は全てキッチリ頭に入っていて、それがつながり合っている、自分の言葉で説明できる」というレベルに仕上げることが大切だと思います。
理解していると思っていても、誰かに説明しようとすると意外に「何だっけ?」となることはよくあります。細かな部分までひとつひとつ覚えて理解していないと説明できませんし、説明の練習自体も必要です。
英語・国語・日本史・世界史・数学は教科書の内容だけでも学ぶボリュームが多く、東大入試のように何を聞かれても説明できるレベルに仕上げるのはやはり時間がかかります。基礎ではあるのですが、ここがほかの大学と違う点かなと思いますね。
那須さん
さいとう
う〜ん、なるほど。基礎は本当に、奥が深いですね(遠い目)。
那須さん、本日は大変ありがとうございました!
こちらこそ、ありがとうございました!
那須さん
東大に限らず、大学受験には「戦略」が大切!オンライン家庭教師「トウコベ」で、自分にとってベストな学習を
1年の浪人を経て東大文系に進学した那須さん。現役時代の不合格は学力分析と入試傾向に合わせた対策不足が原因で、これらを克服することで見事合格されました。
挽回のためにとった具体的なアクションは、「基礎の徹底」と「記述問題の練習」。基礎といっても表面的ではなく説明できるレベルまで深く理解することが大切で、これは東大に限らず勉強全般に通じるものがあります。
ただしこうした対策は、あくまでも那須さんの場合。人それぞれで今の学力や勉強の進度は違います。先生が全員東大生というオンライン家庭教師「トウコベ」では、生徒さん1人1人に合ったベストな授業をしてくれて、東大生ならではの分析に基づいた戦略・学習アドバイスを定期的に受けられます。
トウコベでは最初に無料の「勉強相談」もあるため、気になったらまずは相談してみるのがおすすめ。東大生ならではの授業やアドバイスを、ぜひ感じてみてほしいと思います。