「うちの子、とにかく漢字が書けない。
どうしたらいいんだろう…」
漢字が書けないのは学習障害(LD)のひとつで、「書字障害(ディスグラフィア)」と呼ばれます。
発達障害のあるお子さんは、漢字を書くこと自体が強いストレスになることも。
目で見た形を覚えて、指先で再現する。それが上手くいかないと、自信も失いがちです。
ただ、お子さんに合う学習方法を見つけられれば、少しずつ「できるかも」という気持ちが育つもの。
継続して練習することで、漢字を書けるようになる可能性はあります。
ここでは、ご家庭でできる漢字練習の工夫を13個ご紹介。
ひとつでも「これ、合いそうかも」と思える方法が見つかれば嬉しいです。
発達障害で漢字が書けないお子さんの練習方法13個
発達障害やグレーゾーン、ディスグラフィアのお子さんでも、少しずつ工夫しながら練習することで、漢字が書けるようになる可能性はあります。
ここから、漢字の練習方法を13個順番に紹介するため、お子さんに合いそうなものを試してほしいと思います。
すぐに漢字が書けるようにはならないかもしれませんが、少しずつ前進するだけでも、お子さんの自信になるはずです。
大きいマス目のノート、なぞり書きのドリルを使用(カラーマス)
これはすでに取り入れているかもしれませんが、小さなマスでは形が崩れてしまうこともあるため、大きなマス目でゆったり書けるノートがおすすめです。

また、「カラーマスふせん」のように、色で区切られたマス目があると、どこに何を書くかの目安にもなり、空間認知のサポートになります。
さらに、なぞり書きからスタートするドリルは、「とにかく1文字書くのがしんどい…」というお子さんにも取り組みやすいです。
短い時間で少しずつ練習。1回の練習で「回数」を決めるのも効果的
「1日で10個!」と頑張らなくても大丈夫。
たとえば1日1文字を3回だけでも、積み重ねれば力になります。
集中力が続きにくいお子さんの場合、時間ではなく「回数」で決めるのも継続するコツ。
短い練習を、毎日の習慣にしていくイメージです。
お子さんに漢字を説明してもらう
「この漢字って、どんな意味だった?」とお子さんに聞き、説明してもらうのも効果的。
自分の言葉で説明しようとすると、頭の中でイメージを整理する必要があります。
それが記憶の定着へつながるきっかけに。
正確じゃなくてもOK。
お子さんが自分の言葉でアウトプットできたことを、ぜひ褒めてあげてくださいね。
漢字の部位ごとに色をつけて覚えやすくする
たとえば「語」なら、「言」の部分を青、「五」の部分を赤、というようにパーツごとに色分けすると、視覚的に構造が分かりやすくなります。
色鉛筆を使ったり、ペンで枠だけ描いてあげたりすると、「なんか楽しいかも」と感じてくれる子もいるはずです。
「しゅっ」「すい〜」など、漢字を書くときに効果音をつける
文字を書くときに、「しゅっ」「にょきっ」「すい〜」などの擬音をつけると、リズム感が出て楽しくなります。
特に身体の動きと音を結びつけるのが得意なタイプのお子さんにはぴったり。
お母さんも一緒に声を出してあげると、ちょっとした遊び感覚で取り組めます。
漢字をパーツに分け、部分的に覚える(パズルにするのも◎)
漢字を部品(へん・つくり・かんむり)ごとに切り分けて考える方法も書く練習に効果的。
画用紙などで漢字のパーツを作って、パズルのように組み合わせると、ゲーム感覚で覚えられます。
「組み立て遊び」が好きなお子さんには特におすすめです。
似ている漢字をまとめて覚える
「青」と「清」など、形が似ている漢字をまとめて学ぶと、違いも覚えやすくなります。
「こっちは水がついてるね」「下が『月』じゃなくて『月へん』なんだね」など、違い探しゲームのようにしてみると、自然と記憶に残ることも多いです。
ゲーム形式にする(10個覚えたらシールやメダルなど)
お子さんによっては、「ごほうび」がやる気につながることもあります。
たとえば「漢字10個できたらシール1枚」「5日間続いたらメダル」といったゲーム形式の目標設定がおすすめ。
視覚的に達成感があると、「もっとやってみようかな」と思いやすくなります。
好きなものと関連づける
漢字の意味を、お子さんの好きなものに結びつけてあげる方法です。
たとえば「馬」という字なら、「ポケモンのギャロップみたいだね」と言ってみたり(検索してみてください)。
好きなアニメや動物、食べ物に少し絡めてあげるだけでも、グッと親しみが出てきます。
覚えやすくなるよう、漢字に意味をつける
形だけでなく、意味やイメージとセットで覚えると記憶に残りやすくなります。
「数」という漢字なら、「お米の粒を数えてるイメージ」といったように、生活にある動作や物に例えてみると理解が深まります。
漢字のイメージを絵に描いて覚えやすくする
「鳥」という字の横に、実際の鳥のイラストを描いてみたり、「森」という字の木の部分を木の絵にしてみたり。
絵と一緒に覚えることで、視覚的に記憶に残りやすくなります。 イラストが得意じゃなくても大丈夫。
楽しく描ければOKです!
お気に入りのペンを買う
書くことに前向きになれないときは、お気に入りの文房具がやる気を引き出すきっかけになることもあります。
「このペン、書きやすい!」とか「この色かわいい!」という小さな気持ちの変化が、練習の第一歩になるかもしれません。
個性と考え、タブレットやパソコンで漢字に慣れる
どうしても書くのがつらい場合は、無理に紙で練習しすぎないことも大切です。
タブレットやパソコンを使ってタイピングや漢字変換で自然に触れていくのもひとつの方法。
書けなくても「知っている」「読める」という自信は持てます。
まとめ:お子さんに合う方法で、漢字をコツコツ練習しよう
漢字が苦手でも、「できない」と決めつける必要はありません。
大切なのはお子さんに合ったやり方を見つけて、少しずつ取り組むこと。
1つ上手くいけば、そこから自信がつきます。
そしてお母さんがそっと応援してくれるだけでも、お子さんはきっと心強いはず。
焦らず、楽しみながら続けられる方法が見つかると良いですね。
なお、こうした工夫を取り入れつつ、発達障害のお子さんに適した教え方をしてくれるのが家庭教師。
ディスグラフィアを含むLDやADHD、グレーゾーンのお子さんなどの指導経験が豊富な先生が指導を担当してくれて、スタッフに気になることをピンポイントで相談もできます。
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相談だけでも今後のアドバイスをもらえて、参考になることもあるはずです。
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