お子さんに軽度でも知的障害があると、「うちの子は勉強ができないのでは?」と思うこともあるもの。
学校で周りの子が理解できているのにお子さんだけわからなかったり、簡単な内容でつまずいたりしていると、親御さんとしてもこれからが心配ですよね。
軽度知的障害のお子さんは、まったく勉強ができないわけではありません。
ただ、適切な教え方、理解のペースに合わせて進めることは必要で、お子さんの特性に合わせた学習方法が必要です。
そこでここでは軽度知的障害のお子さんに、どのような勉強法が良いのかを紹介しています。
お子さんのクセや向き不向き、得意不得意を踏まえて学習の仕方を決めることで、知的障害があっても学力はつけやすくなるはず。
やはりここは親御さんが一緒に支えてあげることで、お子さんも安心感がわき、勉強に対する前向きな姿勢や自信・自己肯定感のアップにつながりやすくなります。
これをきっかけに、お子さんの勉強を応援しましょう。
私も塾の講師としてさまざまな生徒さんを指導する中で、軽い知的障害が疑われるお子さんも見てきました。
こうした生徒さんはじっくり向き合って1人1人に合わせた指導をする必要があり、通り一遍の教え方では難しいものがありました。
場合によってはいろいろ試してみないと効果が見られないこともありますが、できることから始めることで、お子さんも少しずつ前に進めるはずです。
軽度知的障害でも勉強ができないわけではない
最初にも述べましたが、軽度知的障害のお子さんでも、勉強できないということはありません。
ただ、学習の進め方や理解のスピードにはやはり個人差があり、ゆっくりと理解するお子さんもいます。
そのため学校の授業ペースについていけない場合もありますが、適切なアプローチで時間をかけて学習すれば、少しずつ理解できるはずです。
ひとまず「うちの子は軽度の知的障害だから、勉強はできないのかな」という先入観をもつことは避け、できることから始めてみましょう。
お子さんが軽度知的障害の場合、どう勉強すればいい?
軽度知的障害のお子さんには、理解しやすい説明・伝え方が必要。
たとえば「5×3=15」という単純なかけ算でも「5人のチームが3組あるね」のように絵を描いて説明すると、理解できるようになる子もいます。
また、問題を解くときも数回の反復ではなく、より多く繰り返すことで定着することも多いです。
それぞれのお子さんに合わせたアプローチをすることで、学力を上げることは十分できます。
こうした効果的な学習をするには、以下のような勉強法がおすすめです。
- じっくり取り組む
- 五感を使う勉強法を取り入れる
- お子さんに合いそうな学習法を探る
- 親御さんが勉強を手伝う
- 家庭教師の先生に見てもらう
- 知的障害のお子さん向け教材を使う
じっくり取り組む
まずは「焦らずじっくり進める」という前提で考えておきましょう。
親御さんによっては早くお子さんの学力を何とかしたいかもしれませんが、短期間での大きな学力アップは難しいもの。
学習には時間がかかることを理解して、お子さんのペースに合わせて取り組むことが大切です。
学校に追いつきたいからと一気に勉強を進めるのではなく、少しずつ進める方が効果的。
最初はゆっくりでも成功体験を積み重ねることで定着度が高くなり、自信もわくことで新しい内容も理解しやすくなります。
五感を使う勉強法を取り入れる
軽度知的障害のお子さんでも、ゲームやアニメ、漫画など、集中できるものごとがあります。
勉強をするときもなるべく楽しく学べるよう、勉強法を工夫することが大切。
特に五感を使うのは効果的で、
- 視覚(しかく:見る)
- 聴覚(ちょうかく:聴く)
- 味覚(みかく:味わう)
- 嗅覚(きゅうかく:嗅ぐ)
- 触覚(しょっかく:皮膚で感じる)
を活用することで、理解しやすくなることは多いです。
絵を描いて説明する・考える、物に触れることで単語や形を覚える、聞くことでリズムを覚える、見ることで色や形が理解できるなど、五感をなるべく使うように説明すると、お子さんも飽きずに勉強しやすくなります。
お子さんに合いそうな学習法を探る
軽度知的障害のお子さんは理解の仕方に個人差があるもの。
どんな学習方法が合うかを探ることが、効果的な勉強につながります。
日頃の様子から視覚を使う学習法が合いそうなお子さんなら、図やイラストを多用している教材を使うと良いです。
また、聴覚を使うほうが良さそうなお子さんには、音声教材やリズムを取り入れた勉強方法が効果的。
学習スタイルはお子さんによって異なるため、「これが合いそうかな」という当たりをつけたら、多少の試行錯誤が必要です。
いくつかの方法や教材を試してみて、お子さんに合うと思ったものを活用しましょう。
親御さんが勉強を手伝う
軽度知的障害のお子さんは、自分自身でも勉強に不安を感じていることもあります。
こうした場合、なるべく親御さんも勉強をサポートしてあげましょう。
一緒に勉強の仕方を考えたり、親御さんが説明や理解の手助けをしたりすることで、お子さんが勉強しやすくなるだけでなく、安心感をもてることも大きいです。
また、「お父さん・お母さんも応援してくれている」という支えを感じられることで、お子さんが自信をもてるようになることもあります。
「うちの子は知的障害だから仕方ない」「もっと頑張らないと遅れちゃうよ」というような突き放す・お子さん任せの姿勢だと、1人で頑張れる子はなかなかいません。
親子で一緒に取り組むことで、家族の絆も深まります。
家庭教師の先生に見てもらう
親御さんが勉強を応援してあげるほうが良いとはいえ、家事や仕事で忙しいことも多いと思います。
こうしたとき、軽度知的障害のお子さんに向きやすいのが、家庭教師。
家庭教師や自宅やオンラインで授業を受けられるため塾へ通う必要がなく、完全に1対1指導のためお子さんのペースに合わせて教えてもらうことができます。
また、最近は「発達障害コース」を用意している会社もあり、知的障害や発達障害のお子さんの指導経験が豊富な先生が授業を担当。
スタッフも、専門知識や進路についての情報提供でサポートしてくれるというところもあります。
親御さんが忙しくても家庭教師の先生がサポートしてくれることで勉強を続けやすくなるため、考えてみるのもおすすめです。
(参考)家庭教師は発達障害(知的障害)のお子さんにもおすすめ。料金目安・注意点と評判の良いサービス5社
知的障害のお子さん向け教材を使う
今はさまざまな学習教材がありますが、知的障害のお子さん向けに作られた教材を使うのもひとつの方法。
中でも代表的な教材が「すらら」で、一般の教材よりも視覚・触覚などを使って学べる要素が多く、楽しく理解できるよう工夫されています。
また、お子さんに回答やアクションを積極的に求めて自発性が養われたり、ゲーム形式で続けやすくなっていたりと、お子さんの興味を引きやすいのも特徴。
家庭教師も良いですが、こうした教材が効果的なケースもあるため、気になったらまずはお試しや資料請求などをしてみると良いでしょう。
(参考)すららは軽度知的障害のお子さんにもおすすめ。活用のポイント
まとめ
軽度知的障害のお子さんは勉強ができないわけではなく、適切な学習方法とサポートを見つければ、学力を伸ばすことはできます。
ただ、もちろん時間がかかる場合はあるため、親御さんも一緒にじっくりと取り組み、お子さんに合った勉強法を見つけることが大切。
また、必要に応じて家庭教師やすららのような知的障害のお子さん向けの教材などを活用することで、学力アップがよりスムーズになることもあります。
家庭教師やすららは体験ができるため、まずは試して様子を見てみるのもおすすめです。
軽度といっても、知的障害のお子さんを親御さんだけで教えたりサポートしたりするのは限界があるもの。
家庭教師は予算に合わせてプランを相談でき、すららは月1万円前後とそこまで高くはない金額。
学校の授業がこのまま進むとやはり心配ではあるため、こうしたサービス・教材も考えてみてほしいと思います。