ADHDのお子さんは集中力がない、ワーキングメモリーが低いなどの傾向から、英単語を覚えられないこともあるものです。
英語はとにかく単語が大切で、覚えられないと文章も読めません。
今後のテストや進学にも影響するため、親御さんとしては心配も多いと思います。
ただ、逆に興味のあることには夢中になって取り組んだり、関連することをすぐに覚えたりということもあるため、お子さんに記憶力がないというわけではないはず。
ADHDのお子さんが英単語を覚えるには、一般的な読み・書きでの暗記ではなく、工夫が必要です。
そこでここではADHDのお子さん向けに、英単語を覚えるためのコツを紹介します。
視覚や聴覚を活用する方法、どのようなことを意識して暗記に取り組むと良いかなど、さまざまな方法を解説。
まずは試してみることで、お子さんに合うものが見つかりやすくなるため、ぜひ読んでみてくださいね。
「やっぱりADHDだから、単語を覚えられないのかな」と考えることもあると思いますが、やり方を変えることでお子さんが覚えられるようになることもあります。
お子さん自身も「どうして覚えられないんだろう」と感じているかもしれないので、ぜひ親御さんがサポート・応援してあげてくださいね。
ADHDで英単語が覚えられない!
ADHDで英単語を覚えられないとき、大きく以下の4つの方法が効果的です。
- 視覚を使う
- 聴覚を使う
- 実践的な形で覚える
- ポジティブに学ぶ
ここからは、それぞれの具体的な方法を紹介します。
何が合うかはお子さんそれぞれ。
まずは気になったものを試してみてください。
視覚を使う
五感の中でも特に活用しやすいのは視覚。
単語のスペルを見て覚えるだけでなく、以下のような方法を取り入れると覚えやすくなります。
イラストや写真を見て覚える
お子さんにイラストや写真を見せながら単語を覚えると、言葉と意味をイメージで結びつけやすくなり、記憶の定着につながります。
たとえば「りんご(apple)」の単語を学ぶときに、実際のりんごの写真をスマホなどで検索して見せる、という感じです。
フラッシュカードを使う
🔼こども英語教材 英語教育KIDS NAVI
(フラッシュカード)
フラッシュカードは、単語とイラストが合わせて描かれているカードです。
上でお伝えしたイラストや写真をひとつひとつ探すのは大変。
フラッシュカードならすぐに使えるため、便利です。
また、フラッシュカードはゲームやクイズ形式で使うこともでき、お子さんの興味を引きながら、楽しく勉強することもできます。
たとえば「単語カードを見せて、その意味を答えてもらう」という簡単な遊びでも、小さなお子さんなら興味をもってくれることは多いです。
単語を大きく、拡大して書く
お子さんによっては、英単語のアルファベットが重なるように見えてしまうことがあります。
なるべく覚えやすくなるように、単語を大きく、見やすくはっきり書いてあげると良いでしょう。
聴覚を使う
聞く力である聴覚を利用するのもひとつの方法。
聴覚もさまざまな方法で単語の暗記に活用できます。
歌やリズムで覚える
単純に単語を読んだり書いたりして覚えるより、音とリズムを活用すると覚えやすくなります。
アルファベットの歌や、リズムに乗って単語を口ずさんだりすると良いでしょう。
歌やリズムで覚えると、単語をはっきり覚えていなくても歌うことで思い出しやすくなる効果もあります。
YouTubeの動画で覚える
YouTubeはあまり長く見すぎるのは良くありませんが、上手に活用すれば単語の暗記にも効果的です。
アニメのようなキャラクターが単語をひとつずつ紹介する動画や歌とダンスで英単語を覚えられる動画など、さまざまな動画があります。
YouTubeで「中学 単語」「英単語 ダンス」のように検索すればたくさん動画が出てくるため、気になったものをお子さんに見せてあげると良いでしょう。
オーディオブックを活用する
オーディオブックは、文章を音声で読み上げてくれる「聞く本」。
海外では一般的で、日本でもだんだんと利用する人が増えています。
もちろん英単語の暗記にも効果的で、子ども向けの物語や詩をオーディオブックで聞くことで、単語を覚えやすくなります。
オーディオブックは聞き流しもしやすいため、とりあえず流しておけば自然と耳に入り、「気づいたら覚えていた」ということも。
オーディオブックはAmazonでも購入できますが、YouTubeで聞けるものを聞くのも良いでしょう。
実践的な形で覚える
お子さんが単語を覚えられないのは、「覚えても役に立たない」「何に使うのだろう」と考えているための可能性もあります。
興味のあることは集中でき、さまざまなことを覚えられても、英語になるとさっぱり覚えられない、という場合は、実践的な形で単語を覚えてみると良いかもしれません。
ゲーム形式で覚える
子どもはゲームが大好き。
単語もゲーム形式にすると興味をもちやすくなります。
上で紹介した、絵が描かれたカードを見せて単語を答えてもらうゲームも効果的ですし、10回詰まらずに言えたらクリア、のようなゲームも良いでしょう。
楽しく覚えることで、「もっとやろう」とお子さんが積極的になる効果も期待できます。
実際に使ってみる
覚える単語を使って、実際にフレーズを話してみることが暗記につながるお子さんもいます。
りんごの「apple」を覚えるときに「This is an apple.」「Apple is red.」など、簡単なフレーズを言ってみます。
単純に単語を覚えるだけでなく、英語にも慣れることができるため、効果的な勉強法です。
英文が思いつかなければ、Google翻訳などで日本語を英語に変換すると、すぐにフレーズを作れます。
ロールプレイをしてみる
ロールプレイは、実際のシチュエーションを想定して会話をする学習法。
学校の教科書には英会話の文章が載っていますが、お子さんとお母さんで役割を分けて話すなどして練習すると効果的です。
ロールプレイも単語だけでなく、英文や英会話にも慣れることができるのがメリット。
何も見ずに会話するのは難しいことが多いため、まずは英文を見ながら話すと良いでしょう。
ポジティブに学ぶ
勉強というと、どうしても「気が進まないけど頑張って取り組む」という意識になりがち。
発達障害のお子さんに限らず、子どもは素直なため、嫌いなことは嫌いだし、やりたくない、ということになりやすいです。
そのためポジティブに学ぶことを意識することで、お子さんが積極的に英語を学びたいと思う姿勢を作りましょう。
とにかく楽しく覚える
単語を覚えたいと思ったら、とにかく楽しく。
最終目標は「単語を覚えること」のため、楽しいことが悪いわけではありません。
ゲーム形式でもYouTubeでも、使えるものは活用しましょう。
とにかく褒める
「すごいね!」「覚えられたね!」という声かけは、お子さんにとってとても嬉しいもの。
単語を覚えられたときには、お子さんに積極的に褒めてあげると良いです。
褒められることが嬉しくなり、単語を覚えることが楽しくなることもあります。
心配や不安から、お子さんにネガティブな感情が伝わっていることはよくあるもの。
なるべく褒めて、お子さんにポジティブな気持ちを伝えてあげましょう。
ご褒美をあげる
単語を覚えられたときのご褒美を用意することで、お子さんのモチベーションを高めやすくなります。
ご褒美は小さなもので良く、決めたことを達成できたときにおやつやゲーム、おもちゃなどをあげるのが効果的。
お子さんも達成感を得ることができ、自信にもつながります。
ただしご褒美のあげすぎは逆効果で、「何かないと単語を覚えない」ということになるため注意は必要です。
しっかり勉強するなら、家庭教師もおすすめ
ここまで紹介したように、ADHDのお子さんでも英単語を覚えやすくなる方法はたくさんあります。
まずはひとつ試してみると良いですし、いくつかを合わせて取り組むことで、よりスムーズに暗記できるようになることも。
普通のお子さんも1度で単語を覚えられることは少なく、反復が必要。
お子さんが楽しみながら反復できる方法で、英単語や英語の勉強を続けてほしいと思います。
なお、本格的に英語の勉強をしたい、お子さんに合った方法で学習したい、という場合は、1対1で教えてもらえる家庭教師が良いでしょう。
最近は発達障害コースに力を入れている会社もあり、授業回数や時間もお子さんの状況や予算に合わせて決められます。
各社とも学習相談や体験授業を受け付けているため、まずは話を聞いてみるだけでも参考になることがあるはず。
下のページでおすすめの会社を紹介しているため、ぜひ見てみてほしいと思います。
▶️家庭教師は発達障害のお子さんにもおすすめ。料金目安・注意点と評判の良いサービス5社
ADHDのお子さんはそれぞれ理解の仕方や傾向が違うため、様子やペースに合わせて教えてもらえる家庭教師が適しています。
発達障害コースのある会社は似た生徒さんの指導経験が豊富な先生を紹介してもらえて、スタッフも親御さんの相談に乗ってくれるなど、お子さんの勉強全般をサポート。
もちろん費用はかかりますが、お子さんの英語学習を応援するなら、考えてみるのもおすすめです。