「サピックスに通い始めたけれど、授業の進み方が早すぎて、子どもがついていけない…」
こうした悩みを抱える親御さんは少なくありません。
中学受験に強いと評判のサピックスですが、その大きな特徴のひとつが、先取り学習。
かなりのハイペースで授業が進むため、少しでも理解が追いつかなくなると、あっという間に置いていかれてしまいます。
- 「うちの子、このままで大丈夫かな」
- 「復習もちゃんとしているのに、なかなか定着しない」
と、不安が募ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、お子さんがサピックスの先取り授業についていけないと感じたとき、ご家庭でできる対策方法を紹介。
また、最近はサピックスと家庭教師を併用するケースも多く、これについても触れています。
焦る気持ちを少しでも軽くして、今できることを一緒に見つけていきましょう!
サピックスの先取り授業、特徴をおさらい
サピックスのカリキュラムは、先取り学習が基本。
中学受験に向けて限られた時間の中で必要な内容を網羅するため、毎週の授業で新しい単元をどんどん進めるスタイル。
特に以下のような特徴があり、ついていけないと感じる原因にもなっています。
授業は予習前提で進む
基本的には家で教材に目を通してきていることが前提で、授業中は応用や発展問題に取り組むことも少なくありません。
毎週新しい単元が登場し、復習の時間が取りにくい
一度の理解でつまずいてしまうと、そのまま次の内容に進むため、わからないまま置いていかれてしまうこともあります。
宿題や教材の量が多く、家庭での負担が大きい
教材の質が高い反面、家庭でのサポートなしではこなしきれないという声もあります。
サピックスの授業は「ついていける子」には非常に効果的ですが、そうでない場合、早めのフォローが必要です。
なぜサピックスの授業についていけなくなる?よくある原因
サピックスの授業は進度が早く難しい内容も多いですが、毎回しっかりこなしていけばついていけるお子さんも多いです。
ついていけない場合、サピックス側に原因がある場合もありますが、お子さんの取り組みを見直すことで改善できることも。
よくある原因は、以下のようなケースが挙げられます。
家庭学習の時間がうまく取れない
学校・学校の宿題・サピックス以外の習いごとなど、子どもたちの毎日はとても忙しいもの。
帰宅後に疲れてしまって復習が手につかなかったり、教材に手をつけられないまま次の授業を迎えたりしてしまうと、ついていけない可能性が高まります。
教科によってつまずきやすさが違う
特に算数はつまずきやすい科目のひとつ。
抽象的な内容や文章題が多く、ひとつ理解しそこねると次の単元にも影響が出てしまいます。
そして算数で苦手意識が生じると勉強自体が嫌になり、全体的についていけなくなることにもなりかねません。
親がフォローしきれない内容が増えてくる
サピックスの教材は質が高く、親御さんが家庭学習を手伝うご家庭も多いです。
ただ、問題によっては一緒に考えても、「どう教えていいか分からない…」という場面が増えてきます。
親御さんがフォローしきれなくなった時点で、ついていけなくなるリスクがあります。
わからない状態が続くと、自信をなくしてしまう
授業中にわからないことが多いと、「どうせ自分には無理だ」と感じてしまいがちです。
理解が追いつかない状況が続くと、やる気や自己肯定感の低下につながり、ついていけなくなってしまいます。
ご家庭でできるサピックスのフォロー方法5つ
サピックスの授業についていけないと感じたとき、内容を教える以外にも親御さんができるサポートはあります。
無理のない範囲で取り入れられる方法を、5つ紹介します。
その日のうちに軽くでも復習する習慣をつけるよう促す
授業の内容を翌日以降に持ち越すと、記憶があいまいになりがち。
「1問だけでも見直す」「板書を一緒に確認する」といった軽い復習をその日のうちにするよう、お子さんに声かけすると効果的。
これだけでも、理解度は大きく変わります。
授業で「わからなかったところ」を一緒に確認する時間をつくる
「今日はどんな授業だった?」「どこが難しかった?」と声をかけるだけでも、お子さんの中で情報が整理されやすくなります。
最初は答えられないことも多いかもしれませんが、少しずつお子さんも慣れてきて、「話すこと」そのものがフォローになります。
苦手単元を見極め、ピンポイントで反復練習
全教科の苦手な単元をひと通り見直すのは大変ですが、「割合」「速さ」など、特定のテーマに絞れば取り組みやすくなります。
サピックスの教材や過去のテストを見返すなど、繰り返すことで理解が深まりやすくなるため、お子さんと一緒に計画を立てて取り組みましょう。
ほかのスケジュールを見直し、学習時間のゆとりを作る
習いごとや学校の宿題で毎日が一杯になると、お子さんも勉強にまで気が回りにくいもの。
中学受験に力を入れるなら優先順位を見直し、学年が上がるごとに受験に向けた勉強へシフトしましょう。
「できたこと」に注目して声かけする
上手くいかなかったことばかりに目が向くと、お子さんはすぐに自信をなくしてしまいます。
「この問題できたね!」「前よりスムーズに解けたよ!」といった、できたこと探しの声かけが、やる気や前向きな気持ちにつながります。
それでも難しいと感じたら、家庭教師という選択肢も
上で紹介した5つの方法は、いずれも今日から取り入れられることばかり。
ただ、実際のところ、ご家庭だけでサピックスのフォローをするには限界があるもの。
こうした場合は無理をせず、家庭教師のようなサポートを利用するのもひとつの方法です。
- 「どうしても苦手が克服できない」
- 「親が教えるとケンカになってしまう」
- 「忙しくて十分に見てあげられない」
- 「やっぱり経験のある先生に見てもらうほうが安心」
こうしたときは家庭教師を活用するのも良く、実際に併用されているご家庭も多いです。
家庭教師の主なメリットは、以下の点が挙げられます。
サピックス対策コースがある会社や、サピックス経験者の先生が多い会社もある
学研が運営する「学研の家庭教師」や、費用がお値打ちながら上場企業が運営する「家庭教師のサクシード」は規模を活かして中学受験に力をいれていて、サピックス対策コースがあります。
サピックス出身の先生や、サピックス生の指導経験が豊富な先生を紹介してもらえて、もちろんサピックスのカリキュラムに合わせてフォロー。
また、最近は東大生が教えてくれるオンライン家庭教師(個別指導)のサービスも登場していて、もちろんサピックスかつ関東御三家出身の東大生に教えてもらうこともできます(トウコベ・水桜会(すいおうかい)など)。
苦手な単元に集中など、ついていけなくなった原因をピンポイントで解消できる
家庭教師は完全にお子さんの学力・状況・性格に合わせて教えてもらえるのが魅力。
今つまずいている単元に絞って、ついていけなくなった内容からあらためて教えてもらえます。
1対1指導のため、先生から刺激を受けられる
サピックスで習う内容は、お子さんにとって難しいこともあるもの。
それを鮮やかに解説してくれて、受験までの見通しを立ててくれる先生やスタッフを目にすると、お子さんは「まじか・・、すごい」となりやすいです。
また、サピックス出身で難関大学に在籍・卒業した先生は優秀な人が多く、毎週1対1で授業を受けるのは大きな刺激になります。
サピックスの予定に合わせて授業を入れられる
先生の都合さえ合えば、サピックスの授業やカリキュラムに合わせて教えてもらえるのも家庭教師の魅力。
- 「マンスリーテストが近づいてきたから、授業を増やしたい」
- 「今月の授業を、組分けテストの前にまとめて入れたい」
- 「算数は良くなってきたから、今度は理科も追加したい」
など、臨機応変に対応してもらえます。
ただ、あまり細かい授業変更は先生も難しい場合があるため、相談の上という形です。
まとめ:先取り授業に飲み込まれる前に、早めのサポートを!
サピックスの先取り授業は上手く活用できれば大きな成長になりますが、つまずいたまま放置してしまうと、お子さんにとって大きな負担。
まず大切なのは、「うちの子にサピックスは合っていないのでは…」とあきらめる前に、できる対策をしてみること。
- 無理なく復習できる習慣をつくる
- 苦手な単元に絞り、ムダのない学習を心がける
- 自信を取り戻す声かけで、前向きな気持ちを育てる
- 必要に応じて家庭教師を検討する、まずは話を聞いてみる
どれも、小さな一歩から始められることばかりです。
親御さんのサポートは、お子さんにとって何よりの安心材料。
焦らず、できることから始めていきましょう。