高校受験を控えているのにお子さんが勉強しないと、心配なもの。
学校へ行けない状態が続くだけでなく、さらに高校受験の勉強もしないとなると、
- この子の将来はどうなるのだろう・・。
- 中卒もあり得る?
と、親御さんまで不安だと思います。
ただ、お子さんが勉強しないのには理由があり、それは親御さんの行動が関係していることも。原因がわかり、それが改善されれば、お子さんも前を向けるようになることは多いです。
今は進路の幅も広がっていて、普通の高校(全日制)ではなく、あえて家で学べる通信制高校を選ぶお子さんもいます。親御さんも視野を広げると、気持ちがラクになるかもしれません。
この記事ではお子さんが高校受験の勉強をしない原因と親御さんが気をつけると良い行動、今後の勉強について解説します。
お子さんも悩み、頑張っているはず。
ぜひ一緒に寄り添って、サポートしてあげてほしいと思います。
子どもが高校受験の勉強をしないときに多い原因
高校受験が近づいてきてもお子さんが勉強しない原因は、大きく次の6つ。当てはまるものがないかをチェックしてみてください。
- 勉強が苦手・嫌い。学力が低すぎて怖い
- 勉強は将来の役に立たないと思っている
- 勉強しなくても何とかなると思っている
- どうなってもいいと、投げやりになっている
- 親御さんが無関心。孤独感が強く、やる気になれない
- 親御さんがお子さんのことではなく、世間体を気にしている
勉強が苦手・嫌い。学力が低すぎて怖い
不登校になると、つい勉強をせず過ごしてしまうことは多いもの。そのまま勉強が嫌いになってしまい、いざ勉強を再開しようと思っても怖く感じるお子さんは多いです。
- 学校に行っている子は、ずっと先のことを勉強している。
- 自分はもう遅れすぎていてダメだ・・。
- お父さん・お母さんにも相談しにくい。
上のような気持ちが、お子さんを勉強から遠ざけてしまいます。
勉強は将来の役に立たないと思っている
お子さんが
「勉強する意味がわからない。将来の役に立つの?」
のように感じていると、高校受験があるとわかっていても勉強しないことは多いです。
もちろん直接は使わない知識もありますが、中学校で習うことは大人として知っておくべき内容。
将来つく職業によっては仕事で使うこともあり、選択肢を狭めないためにもやはり中学内容は習得しておくべきです。
勉強しなくても何とかなると思っている
「高校受験なんて、勉強しなくてもどうせ何とかなるよ」
と考えているお子さんも、必要に迫られていないため勉強しようとしません。
ここで親御さんが「何とかなるわけないじゃない!」と言っても、お子さんは考えを変えないことがほとんど。
むしろさらに親御さんの言うことに聞く耳をもたなくなってしまうため、むやみに否定するのはやめておくべきです。
どうなってもいいと、投げやりになっている
不登校のお子さんは何もしていないように見えて、
「どうしょう。自分はどうなるんだろう。どうしていいかわからない」
と悩んでいることが多いです。
誰かに相談したいけど、本音を打ち明けられる人がいない。
親御さんに相談したいけど、怒られたり、理解を示してくれなかったりで、安心して頼れない。
解決策を見つけられないお子さんは、「もう、どうでもいいや」となってしまいます。
親御さんがお子さんのことではなく、世間体を気にしている
お子さんのことを気にして、いろいろ声をかける親御さんは多いです。
ただ、お子さんはそれを「自分のために言ってくれている」と考えず、「気にしているのは世間体でしょ?」と感じることがあります。
「本当に、子どものためを思っての言葉なのか」は、親御さんも振り返ってみると良いかもしれません。
親御さんが気をつけるべき行動
ここまでを踏まえて、親御さんが気をつけると良いことは下の6つ。
お子さんが勉強しなくても、親御さんが意識することで状況が変わることはよくあるもの。
できることから始めてみてほしいと思います。
- 「勉強しないの?」「周りは勉強してるよ」など、怒る・小言・口出しはNG。
- お子さんが動き出すには時間がかかると理解する。
- 親御さんも視野を広げ、通信制・定時制も検討する。
- 食事や買い物など、楽しいことに誘ってみる。
- 本当はお子さんも不安・悩みを打ち明けたい。やる気になったときの準備をしておく。
- 親御さんが不安になりすぎない。お子さんを信じる。
「勉強しないの?」「周りは勉強してるよ」など、怒る・小言・口出しはNG
さまざまなところで言われていますが、怒る・小言(こごと)・口出しは絶対にやめておくべき。
言いたくなる気持ちはわかりますが、お子さんの気持ちを逆なですることになってしまいます。
余計なことは言わない、言いたくなってもぐっと抑えましょう。
お子さんも見た目にはわかりにくいですが、悩み、頑張っています。
親御さんも一緒に頑張る姿勢を見せることが必要です。
お子さんが動き出すには時間がかかると理解する
不登校のお子さんは、心の中でさまざまなことを考えています。
子どもだけでなく、大人も悩んでいるときは次へのアクションを取れない、取る気になれないことはあるもの。
「そろそろ高校受験の勉強をしないと、間に合わないよ・・」
このように親御さんは不安になると思いますが、お子さんは自分の中で「そろそろマズイ」という気にならないと動けません。
お子さんを信じ、もう少し様子を見ましょう。
親御さんも視野を広げ、通信制・定時制も検討する
最近はいわゆる普通の高校(全日制)だけでなく、通信制高校や定時制高校を考える中学生が増えています。
これはイメージではなく、文部科学省の資料から実際にわかることです。
【通信制高校に入学する生徒数の推移】
文部科学省「高等学校通信教育の現状について」
特に2020年から流行した新型コロナウイルスにより、オンライン授業が急速に広まりました。
コミュニケーションや人付き合いが苦手な子は、「自由な時間が増えるし、家で勉強できる通信制でいいじゃん」という人も増えています。
親御さんも自分の時代とは状況が変わっていることを理解して、通信制・定時制も視野に入れてみると良いでしょう。
特に通信制高校はプログラミングやデザインなども学べる「N高等学校」や、家庭教師のトライの教室へ通って学べる「トライ式高等学院(通信制高校と提携しているサポート校)」など、さまざまな学校が登場しています。
無理に全日制の高校に進まなくても、通信制高校でも大学・専門学校への進学は可能。
親御さんが、まずは資料を見てみるのも良いでしょう。
食事や買い物など、楽しいことに誘ってみる
気持ちが変わると、行動も変わります。
お子さんがずっと家にこもっているなら、たまには食事や買い物などに誘ってみるのも良いかもしれません。
誘いに応じてくれるかはお子さんによりますが、気分転換をすることで前向きになりやすくなり、高校受験も頑張る気になる可能性があります。
このとき、なるべく親御さん自身もリラックスしたり、楽しんだりすることが大切。
親の気持ちは、お子さんに伝わるもの。
親子の気持ちが変わることで、家庭内の空気にも変化が期待できます。
本当はお子さんも不安・悩みを打ち明けたい。やる気になったときの準備をしておく
お子さん自身、何もしていないように見えるかもしれませんが、心の中では悩み・不安・心配と戦っています。
本当は誰かに打ち明けたい、気持ちを理解して、受け止めてほしいと思っているはず。
小言や口出しをせずに見守っていれば、お子さんも親御さんを頼ってくる可能性は十分あります。
そのときのために、
- 塾や教材
- お子さんが進学できそうな全日制の私立高校
- 通信制高校
など、サポートできそうなことは準備しておくと良いです。
「ねえ、高校受験の勉強なんだけど・・」と言われたとき、「実は、ちょっと塾を調べてたんだけどね」と選択肢を出してあげれば、興味をもつかもしれません。
お子さんが望まないタイミングで、押し付けるように塾や通信制高校を勧めるのは良くありませんが、本人の気持ちが前を向いたとき、そっと提案できると良いでしょう。
親御さんが不安になりすぎない。お子さんを信じる
お子さんが学校に行かず、高校受験もどうなるかわからない。
親御さんも心配・不安が大きいと思います。
人によってはストレスから「もう嫌だ・・」と投げやりになってしまかもしれませんが、なるべく気持ちをしっかり保ち、不安になりすぎないようにしてください。
親御さんが前を向いて、明るく過ごしていれば、きっとお子さんも自分で立ち上がれるはずです。
お子さん自身が前を向けば、遅れは挽回でき、高校進学もできる
ここまで紹介したように、親御さんが行動を変えることで、お子さんが高校受験を前向きに考えてくれるようになる可能性は十分あります。
「今からでも間に合うのかな・・」と思うかもしれませんが、中学内容なら中3の途中からでも挽回は可能。
偏差値が高い全日制の公立・私立高校はさすがに難しいですが、通信制高校まで含めれば、行ける高校はたくさんあるです。
お子さんが勉強できそうなら、家庭教師・オンライン塾を提案できるよう準備
お子さん自身が全日制の高校を望むなら、残り期間での勉強が必要。
遅れを取り戻すには、やはり1対1で教えてくれる家庭教師や塾がおすすめです。
家庭教師なら自宅に先生が来てくれるため、ストレスが小さいです。
また、最近はオンラインで1対1の授業を受けられる塾も増えているため、先生と対面することに抵抗があるならこちらもおすすめ。
問題集などを購入して、お子さん自身に勉強してもらうのは難しいことが多いため、できれば家庭教師や塾を利用すると良いでしょう。
勉強は嫌でも高校に行きたいなら、通信制高校がある
お子さんがどうしても勉強しない。
でも高校には行きたい、という場合、通信制高校や定時制高校を考えてみてください。
通信制高校:自宅学習がメインの高校
定時制高校:午後・夜間などに通学する高校
最近は私立の通信制高校が人気で、お値打ちな学費でカリキュラムも工夫を凝らした学校がたくさんあります。
趣味やアルバイトに時間を使えて、勉強は基礎が中心。
デザインやファッション、プログラミングなどを学べる専門学校的なカリキュラムの学校もあるため、提案すると興味をもってくれるかもしれません。
お子さんを気にかけつつ、親御さんも前向きに。動き始めたときにサポートできるよう準備を
お子さんが不登校で高校受験の勉強をしないと、やはり心配なもの。
ただ、勉強しないことには原因があり、その対応として親御さんができることもあります。
親御さんの行動・言動が明らかに変わると、お子さんの気持ちにも変化が生まれるもの。
そのとき、高校受験に向けて動き始めることも多いため、サポートの準備をしておくと良いです。
しっかりサポートしてあげてくださいね。